ここは会社なので求愛禁止です! 素直になれないアラサー女子は年下男子にトロトロに溺愛されてます。
 彼の目の下に少し隈ができているのを私は見逃さなかった。

「……寝てないの?」

「ん? 寝ましたよ。ちょっと寝付けなくて、そしたら寝坊しちゃいましたよ」

「なら良いけど……、何か相談とかあったら言いなさいよ?」

「前にもそう言ってましたね、強いて言うなら真紀が一緒に寝てくれれば毎日ぐっすり寝れるかも」

 私を抱き寄せる松田につい自身も抱きつこうとしてしまった所でここは会社だと思い出し、グイッと松田を押し離した。

「ちょ! ここ会社だから禁止!!!」

 くくく、と笑いながらデスクに荷物を降ろす松田につられて私も笑えてくる。その後直ぐに出社してきた涼子に「あんたらなにそんなに笑ってんの?」と突っ込まれるほどだ。

 自分の鞄の中から聞こえるバイブ音に気がつきスマホを取り出すと誠からのメールだった。

"真紀さんの負け決定〜! 私今日たまたま仕事休みだから真紀さんの仕事終わりに会社の近くで待ってるよ。仕事終わるの何時頃?"

 負けて潰れた奴のためにこっちの会社まで来てもらうなんて駄目駄目駄目!

"いえ! 私がそちらに行きます! 仕事終わりに誠さんのアパートに寄ってもいいですか?"

"了解、じゃあお言葉に甘えて来てもらおうかな"

"では、仕事終わり次第連絡しますね"

 今日も早く仕事を終わらせようと気合が入る。頭痛も薬を飲んだお陰で痛みが引いた。
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