ここは会社なので求愛禁止です! 素直になれないアラサー女子は年下男子にトロトロに溺愛されてます。
「何処に行くの?」

「ん、動物園です」

「また随分アクティブな場所ね……」

「水野さんってあんまり動物園とか水族館とか行かなそうなイメージだったけど、当たってました?」

「……当たり」

 基本インドアなので、動物園なんて小学生以来行った記憶がない。
今日は映画館とかショッピングモールかなと予想していたが、予想と遥かに違う場所だった。

「やっぱり、じゃあ今日は久しぶりに動物に癒されましょう」

「そうね」

「あ、今日はデートなんで仕事の話は無しで!」

「デ、デートって言ってもお詫びデートだからっ!」

「お詫びデートって、まぁそれでも俺はいいけど、今日で俺の事少しは好きになって下さいね?」

「は?」

「俺が告白した事忘れてます?」

 まずい。この流れはまたキスされてしまう。
そう思い急いで顔を窓の方に向け松田に背を向けた。

「運転してるからキスできないですよ」

 松田に見透かされていた。まるでされると思っていたみたいで恥ずかしい。いや、思っていたんだけども。

「ち、違うわよ、外の景色見てるのよ!!」

 くくく、と松田は笑いを堪えながら運転している。
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