ここは会社なので求愛禁止です! 素直になれないアラサー女子は年下男子にトロトロに溺愛されてます。

お詫びデートです 松田side

「んもぉ〜いつもいつもいーっつも、松田君は私をドキドキさせる天才なんですよぉ」

「水野さん……めっちゃ酔ってる」

 美味しい、美味しいとペロリと料理を平げてくれ、軽いおつまみをローテーブルに運び、ソファーに座り直す。ワインを飲むペースが早いんじゃないかと思っていたら案の定彼女は酔っ払っていた。
 酔っているからか頬はほんのり赤く染まり目も潤んでいる。この前の飲み会の時もそうだったが自分の太腿に手を挟んでいる。もしかして寒いのだろうか?

「水野さん、寒い?」

「んん〜私お酒飲むと寒くなっちゃうのよねぇ」

 知らなかった。寝室からブランケットを持ってきて彼女にかけ、隣に腰を下ろした。

「ありがとぉ、んふふ、松田君の匂いする〜」

「んなっ……」

 ニコニコしながら俺のブランケットの匂い嗅いでるとか可愛すぎる……こんな姿シラフの彼女じゃ絶対見せてくれないだろう。いやむしろ誰にも見られたくない。

(橅木さんの前では酔ったりするのかな……)

 どさくさに紛れて身体をくっつけて座ってみたが全く抵抗されない。でもそれはきっと酔っているからだろう……
 ブランケットの下にあった彼女の小さくて柔らかい手を探し当てギュッと手を握る。……抵抗されない。
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