ここは会社なので求愛禁止です! 素直になれないアラサー女子は年下男子にトロトロに溺愛されてます。
「水野さんの酔っ払い」

「……酔ってないれすよ〜だ」
 
(よーだって、可愛すぎんだろ)

「大体松田君はドSすぎなんですよ、急に手ぇ触られたらドキドキするでしょー」
「いっつも眼鏡らのに今日はコンタクトとかぁ、まだまらいっっぱいあるんだからね!」

 嬉しすぎて、可愛すぎて、好き過ぎて、彼女をグッと引き寄せ優しく抱きしめた。細くて折れそうな華奢な身体なのに、柔らかい。

「んなっ、ほほほほら、こーやってまた年上をからかうんだからっ」

「からかってないよ」

 どうすれば信じてもらえる?どうしたら本気で好きって伝わる?どうしたら貴女は俺の物になる?
「好き」「好きだ」「愛してる」何回でも何億回でも言う。
 彼女の小さく柔らかい唇にそっと触るくらいのキスをした。

「水野さん、好きです」

「……うん」

「まだ酔ってる?」

「ビックリしすぎて酔い覚めた」

「じゃあもう一回言うよ、水野さん、好き」

「……うん」

「付き合って」

「……まだ分かんない」

「今日で少しは好きになってくれた?」

「……す、少しだけならっ」

「なら良かった、水野さん、好きだよ」

「んなっ、わ、分かったから! もう少し待ってっ」

「お願いしますよ、じゃあそろそろ送っていきますよ」

「……うん」
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