ここは会社なので求愛禁止です! 素直になれないアラサー女子は年下男子にトロトロに溺愛されてます。
 その後はいつも通り仕事をこなせたと思う。
 昼休憩になりいつも通り涼子をランチに誘い会社を出る。喫煙所にいる橅木が目に入ったので強引にランチに誘った。

「なんだよ真紀、なんか言いたい事があるんだろ?」

 本当に勘の鋭い男だ。でもその通り。松田と付き合う事になった事をこの二人には自分の口から伝えたい。
 一番最初に松田と食べに来た中華料理店に入る。
 涼子も橅木も初めて来たらしく、良い店だね、と喜んでいた。
 涼子は青椒肉絲セット、橅木は麻婆豆腐丼、私は八宝菜セットを注文した。

 料理が来るまでの間それはそれはすごく尋問された。

「で、結局松田と真紀は上手くいったと」

「そうなんです、お二人には色々助けてもらいありがとうございました、そしてこの事はどうか内密に」

「真紀の言い方! どこぞの悪い人みたいな、でも本当あたしは嬉しい、おめでとう真紀」

「俺も嬉しいよ、松田に幸せにしてもらえよ?」

「いやいや、結婚じゃないんだから」

「「するかもよ?」」

 涼子と橅木の声が重なり三人で笑った。
 結婚……ずっと一人で生きて行くと思っていた私に急に見えた結婚という兆し。
 松田となら上手くやっていけそうだな、料理も上手だし……なんて一人プチ妄想をしていたら料理な運ばれてきていた。
 美味しいと二人とも言ってくれたのでよかった。
 本当にこの中華料理店は穴場な店だ。松田に、いや松田に教えてくれた部長に感謝だ。
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