強面お巡りさんはギャルを愛しすぎている

 ラグの上に座り、向かい合わせでカレーを食べた。出されたカレーはなんだか味がイマイチだった。苦みというか独特な食べたことのないカレーの味だった。

「……カレーが美味しくないってあるの?」
「料理はあまり得意じゃない。カレーはその中でもわりとまともに作れる方なんだが……」
「何入れたの?」
「普通に市販のルーだ。隠し味にコーヒーを入れた」

 小鳥遊さんはカレーを一口食べ、何がいけないのかと首を傾げていた。おそらくコーヒーを入れすぎたのだろう。料理下手なのに何故隠し味なんていれようとするのか。大体料理できない奴に限って隠し味だ~高い調味料だ~と使うのは何故だろうか。だが出されたものを残すわけにはいかない。渋々と美味しくないカレーをもう一口食べた。
 目だけ動かし小鳥遊さんを瞥見するといつものお巡りさんと違う気怠い大人の雰囲気になんだか胸がドキドキとしてきた。

「顔」
「ん?」
「化粧してない方が可愛いいぞ」

 私は自分がすっぴんだったことを思い出し、腕で顔を隠した。

「うっさいバカッ」
「本当のことを言ったまでだ」
「あんたこそ、高校生のアタシを部屋に連れ込んでマッポのくせに犯罪じゃないのッ」
「あぁ、たしかにそうかもしれないな」

 彼は笑いながら余裕な顔をしてカレーを食べ進めていた。
 こんな簡単にも可愛いとか言えちゃうなんて、顔に似合わず本当はスケコマシなんじゃないだろうか。
 彼はドギマギしている私を気にもせずカレーを食べる姿はローテーブルなのに背筋が伸びていて食べ方が美しかった。

 (良いところ出のお坊ちゃんか?)

 大人な余裕を見せられている気分でなんだか釈然としない。悔しい。
 テーブルの下で小鳥遊さんの足に蹴りを入れた。

「……ったく、足グセも悪いんだな」
< 63 / 96 >

この作品をシェア

pagetop