強面お巡りさんはギャルを愛しすぎている

 お風呂から上がると、洗濯機はまだ動いていてバスタオルの横に、綺麗に畳まれた男物のTシャツとハーフパンツが置かれていた。

「これを着ろって言うの?」

 着る物は全部洗濯してしまってあと乾燥まで入れたら四十分はかかるだろう。
 仕方がなく用意された服を着ることにした。が、メンズサイズのためTシャツはぶかぶか、ハーフパンツはウエストが合わず落ちてきてしまう。Tシャツで太腿まで隠れミニワンピースの様になるのでハーフパンツを履くのは諦めた。
 髪を乾かし脱衣所を出るとリビングの方から良い匂いがする。この匂いはカレーだ。

 リビングにはソファにローテーブルと必要最低限の家具とぽつんとトレーニングマシーンが置かれていた。お巡りさんだから体力作りで使用しているのだろう。

 小鳥遊さんは私に気付き、キッチンから声をかけて来た。

「上がったか、腹空いてるだろ」
「べつに……空いてないし」

 "ぐぅうう"とタイミングよく私のお腹の虫が鳴った。表紙を飾った新しい子がかなりの細身だったので、私も負けてはいられないとダイエットのため朝以外食べないようにしていた。しかしカレーの食欲そそるスパイシーな香りで腹の虫が刺激された。
 急いでお腹を抱えるように抑えると、小鳥遊さんはカレーを盛った皿をテーブルに置いた。

「一緒に食べよう」
「…………あんたが一人で食べるのが寂しいってんなら、食べてあげてもいいよ」

 小鳥遊さんは目尻を下げて吹き出した。

「ああ、寂しいから食べてけよ」
< 62 / 96 >

この作品をシェア

pagetop