弓木くんはどうやらわたしが好きらしい


「じゃあ……いただきます」



弓木くんの後を追ってかぶりつく。

ほんとだ、ちゃんと、おいしい。



良かった。

嬉しいというよりも、安堵でほっと胸を撫で下ろす。



ひとつめのおにぎりをぺろっと完食した弓木くんは、今度はお椀を手にする。




「こっちも美味しい」

「あ、ほんと? よかったあ」




おにぎりだけというのも味気ないから、即席で作ってみたお味噌汁。

といっても、具なしだけど。

出汁とお味噌を合わせただけなんだけど。



お味噌汁をすする弓木くんを見ていると、変な感じがする。

弓木くんと食卓を囲むなんて、想像もしていなかったのにな。




「あれ、こっちは違う味? ツナマヨだけど、なんかちげーな」



早くもふたつめのおにぎりを食べ進める弓木くんが首を傾げる。



「うん、こっちは普通のツナマヨにラー油を足してみたの。で、こっちが胡椒入りのスパイシーなやつで……それからこれは、ごはんの方にゴマを混ぜてみたんだ」



説明すると、弓木くんが目を見開く。



「すげー凝ってんじゃん」

「同じ味ばっかりじゃあ、飽きちゃうかなーって。……これも研究の成果です」




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