弓木くんはどうやらわたしが好きらしい
「そっ、そりゃあ、あげたい気持ちはやまやまだけど……!」
お勉強を教えてもらって、雨宿りさせてもらって。
感謝の気持ちはいっぱいなのだけど、いかんせん、差し出せるものが思いつかない。
「わたしにできることなら何でもするよ!? ほら、後日、菓子折りをお渡ししたり────」
「何でも?」
「もちろん、なんでも……」
って、あれ。
深く考えずに頷いたけれど、これって言質を取られたようなもんじゃあ────と思ったタイミングで、カシャンと音が響く。
弓木くんがメガネを外して、ローテーブルに置いた音。
そして次の瞬間、弓木くんの腕がわたしに伸びてきて。
「ひゃ……っ?!」
ふわっと一瞬、無重力。
そのすぐあと、すとんと着地した先は。
「な、な、なっ」
「な?」
「なにしてるの……っ!」
まさかの、弓木くんの膝の上。
抱えるように乗せられている。