俺様社長は奥手な秘書の初めてを奪う
パックをはぎ取った美晴と私は、この苦学生部屋にそぐわない、自社製の真っ白なパイプベッドに入った。

(可愛い私のベッド……! 気分だけはパリジェンヌ……)

ふわふわの花柄の掛け布団にもぐりこみ……暑苦しいけど、とにかく狭いので美晴と身を寄せあう。

「芽衣、ちゃんと七時に起こしてね」
「うん、六時には起きてるから安心して」
「……さすが」

美晴は明日、メディア関係者として私と一緒にホテル建設の記者会見に向かうことになっている。
なんでも、藤堂社長とルイさんをイケメン社長として雑誌で特集するらしい。

私たちは長い付き合いだ。
高校生で出会いかれこれ十年……まさかこうして一緒に仕事をする時がくるなんて。
ほんのわずかに笑みがこぼれ、そっと重たい瞼を閉じる。

「おやすみ、芽衣」
「おやすみ……」

(今日もよく働いたなぁ……)

徐々に意識が混濁して、隣から聞こえていた美晴の寝息が遠くなっていく。

少しずつ頭の中で鮮明になっていく映像には、緑の葉をつけたみずみずしいイチョウ並木の先に、立派な校舎だ。

(ああ、これは私たちが通っていた高校……)

どうやら私は、『あの時』の夢を見ているらしかった。

「学校も社会も思いきり利用していい女になれ。意味は分かるな?」
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