俺様社長は奥手な秘書の初めてを奪う
すらりと手足が長く、百八十センチ以上はある立派な体躯に小さな顔は、遠目からだとよけいにスタイルの良さが際立つ。
彼の端正な顔がスクリーンでアップに映し出されたとたん、体育館中に女子の黄色い声が響いた。
そんな傍ら、司会役の先生が簡単に藤堂快の経歴を話す。
彼は高校を卒業後、アメリカの大学に渡り経営学部を卒業し、帰国してすぐ仲間数人とインテリア会社を立ち上げたらしい。
起業して一年で都内の一等地に二店舗を構え、二十~三十代の女性を中心に人気を集めているという。
「あっ、私そのブランド知ってる。この前雑誌で載ってたもん……そこの社長さんだなんてびっくりだなぁ」
「うん……」
こそっと耳打ちをしてきた美晴に、小さくうなずく。
『インテリア会社』というワードに、心臓が騒いだ。
(うちも家具屋だし、あの人とこんなところで共通点があるなんてね……)
先生の一通りの説明が終わると、藤堂快はマイクを握った。
彼の深いブラックオパールの瞳は、遠くからでもその眼光の鋭さが伝わってくる。
「後輩にあたる皆さんにお会い出来て、大変嬉しく思います。
この学校には僕の可能性を広げてくれた恩を感じているので、時間を縫ってここにやってきました。
……それはそうといきなりですが、あなたはなんのために学校に来てますか?
友達に会うため? それとも彼女に会うため? 部活をするため……それとも決められたルートにただ身を委ねているだけですか?」