隣の席の一条くん。
「気安くエリに触んないでっ!」


わたしが近づこうとしたら、腕で払い除けられてしまった。


「じゃ、俺先に行くから。花宮さんも早く行かないと遅れるよ」


一条くんは、何事もなかったかのようにわたしたちの横を通り過ぎようとした、――そのとき。


「…待ってよ、晴翔!」


尻もちをついていたエリさんが、一条くんのズボンの裾をつかんで呼び止めた。


「…なに?エリ」

「エリのことは、抱き起こしてくれないの…?」
< 67 / 316 >

この作品をシェア

pagetop