これを愛というなら~SS集~
いつの間にか、身体を繋げても痛みはなくなっていて……気持ち良くなって……

私から求めるようになるなんて……

そんな私でさえ、可愛いと言ってくれるんだからーー…料理長を忘れるのに時間はかからなかった。

もう私は、蒼大くんが好き!


定休日の休みに、動物園に行きたいって言う蒼大くんへ勇気を出して伝えてみると…ー…

俺も環奈を好きだよって……こめかみにキスをくれた。

私のたくさんの初めてが、蒼大くんで本当に良かった。


動物園でデートをした後に、私は初めて男性の部屋に入った。

少し散らかっていたけれど。

私が掃除とかしに来てもいい?

もちろん、助かるよって言ってくれた。

ご飯も蒼大くんが作ってくれたんだけど、すっごく美味しかった。

料理長に習ったんだ、と誇らしげに言ってた。


本当に心の奥から料理長を尊敬して、憧れてる。

そんな人が愛した人が倉本さんで、公私とも支えてるんだから……私なんかが敵うはずがないよね。

あの時、邪魔しないでって言われた意味が漸くわかった気がした。

料理長を愛してるだけじゃない、仕事に対する情熱も理解してるからこその、言葉だったんだって。

料理長も情熱を持って、蒼大くんを育ててくれてるんだもんね。

その情熱を蒼大くんも理解していて、手解きされると嬉しいんだね。

よく考えれば、倉本さんも同じ。

一緒に仕事をしていると、本当に仕事好きって伝わってきて、新郎新婦やゲストさん対して真っ直ぐに向き合ってる姿に、憧れて追い付きたいと思っていた。

影で料理長が支えてくれてたんですねって、繁忙期の最終日に伝えると笑顔で、そうかもって返されたら……敵わない。

私も倉本さんのように、仕事と真っ直ぐに向き合って、蒼大くんを支え支えられる女性になりたい。

いや、なって見せる!

倉本さんを越える、いい女に。


その為なのか、わからない第一関門の試練が刻一刻と静かに迫っていたとも知らずに、私と蒼大くんは、付き合い出して半年が過ぎていた。
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