求められて、満たされた

俊介と一緒に居れない時間はきっとやっぱり仮面をつけて生活しないといけないけれど。

それはやっぱり仕方の無いことだ。

みんながみんな本音で生きてしまったらこの世界が乱れてしまう。

それを整えるために常識という名の檻が設けられていて、なるべく人はそれに沿って生きていかなくてはいけない。

それがルールであり、モラルだから。

だからこそ、人は好きなように生きれる領域が必要になっていく。

私にとって俊介はその領域だ。

付けっぱなしの仮面を剥いでもいい場所。

それを受け入れてくれる場所。

「ゴミ、頂戴。捨てとくから。」

「ありがと。」

あっという間に学校に着いてしまった。

仮面をまた付けないとな。

まだこの空間に居たかったけれど、そう我儘も言ってられない。

好きな事だけやって、好きな所にだけ居れる程世の中は甘くなんかない。

ちゃんと、割り切ろう。

自分の夢の為だ。

嫌な人間関係だって向き合っていかなきゃいけないし、やっぱり色んな音楽に触れる事は大事だ。
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