求められて、満たされた

「よし、とりあえず1曲完成させよう。新しく作るのか既存の曲にするのかは奈生が決めて。楽譜が出来たらデータを送ってくれればすぐに俺も作業に取り掛かるから。あと、MVのイメージも決めておいて。カメラマンとかは俺が知り合いに声かけてみるから。」

「分かった。よろしくお願いします。」

色々話し込んだからかあっという間にお昼すぎになっていたので近くの飲食店で2人で食事を済ませた後、また時間ぎりぎりまで作戦を練った。

私のバイト時間ギリギリになってしまったので俊介が車でバイト先まで送ってくれた。

「俊介ありがとう。」

「バイト頑張れよ。」

「うん。俊介も仕事頑張ってね。」



バイト先のお店に入る。

「おはようございます!」

「おー、おはよ。」

マスターが優しい笑顔で迎えてくれる。

店内を見渡したけれど優登さんの姿はまだ見えない。

まだ来ていないのだろうか。

「あの、マスター。優登さんは?」

「ユウ、風邪っぽくてな。熱はそんなに無いんだけど一応飲食店だからね。風邪の疑いがある人は休ませないといけないから。」

「この時期、風邪流行ってますしね。」

昨日、LINEで学校の事とか話聞かせてと言っていたから恐らく今日風邪の症状が出たのだろう。
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