占いお宿II 新たな契りを結ぶ時
彼女がここに来たすぐは、〝元魔女〟と、毛嫌いされることもあった。それでもミランダは、めげずに今日まで頑張ってきた。彼女のその姿勢は、魔女嫌いなはずの獣人の間にも伝わっている。常連客の獣人達が、今では彼女のこと〝元魔女〟ではなくて、ミランダという人間として見ていることは、私にも伝わってくる。

ミランダも、私と同じように新たな居場所を見つけられたと思っていたけれど……心の奥では寂しさを感じていたのだろう。

それにしても気になったのは、ミランダがローズベリーのお屋敷の近くにいたということ。どういうことだろうか?


「俺も、将来ちゃんとライラといるか、占ってもらおうかなあ」

ルーカスにご執心だったミランダの未来がグリージアにあることに安堵したのか、ルーカスが身勝手なことを言い出した。

「ライラ、占う必要はないぞ」

「アルフレッドには関係ないだろ!!」

はあ……またはじまった。今はジャレット達家臣もいないし、ミランダはお茶を下げに席を立った。この2人を止めるのは、私しかいないのか……

「ルーカス」

「なんだい、マイハニー」

マ、マイハニー!?

「気色悪い呼び方をするな!!」

すかさず突っ込みを入れたアルフレッドに、私も賛成だ。



< 11 / 156 >

この作品をシェア

pagetop