占いお宿II 新たな契りを結ぶ時
「確かに私は、これまで未練がましくライラを追い求めてきた。だが、マリアーナと出会って、兄のような気持ちで見守っているうちに、彼女のことが気になって、目が離せなくなっていた。マリアーナの健気さ。辛い過去も感じさせない明るさ。誰に対しても分け隔てなく向けられる優しさに、気付いたら妹としてではなく、一人の女性として、惹かれていた」

アルフレッド!!
私は全く気が付いていなかったけど、よかったじゃない。だからそんな〝すまない〟なんて顔を、私に向ける必要なんてない。〝頑張れ!!〟という思いを込めて笑顔で頷き返す私に、アルフレッドが居住まいを正した。

「マリアーナ」

「は、はい」

「私は、あなたのことを愛している。どうか、あなたの気持ちを聞かせてくれないか?」

「わ、私……」

真っ赤になって俯くマリアーナは、とにかく可愛くて、その恥じらう姿にアルフレッドの目元が一層優しく緩められる。

「わ、私も……ア、アルフレッド様のことが、好き、です」

「きゃあ!!やったじゃん!!」

歓声を上げるローラにつられて、私も拍手で祝福する。となりのルーカスも。ドリーはやっぱりおかしそうに見つめ、呆けていたユリウスは、やっとハッとした。

「マ、マリアーナ、本気なのか?」

「はい、お兄様」

「……ちょっ、ちょっと考えさせてくれ」

急なことに、受け止め切れなかったユリウスは、眉間に皺を寄せて額に手を当てている。



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