占いお宿II 新たな契りを結ぶ時
「難しく考えることなんてないさ。おまえさんが望んだのは、マリアーナの幸せだろ?ほれ」
軽い口調でそう言ったドリーは、マリアーナに向けて手を振った。途端に、彼女の瞳がグリーンからブラウンにもどる。
「ローラ」
ドリーはなぜか、ローラを促した。
「んーユリウスも、悩みつつ受け入れてるっぽいし、大丈夫かな。じゃあ、はい!!」
ドリーと同じように手を振るローラ。とたんに、ブラウンに変わったばかりのマリアーナの瞳が、綺麗な紫に変わる。ヨエルと同じ色だ。
「それから、はい!!」
まだなにかあるのか、ローラは手をもう一振りした。とたんに、アルフレッドとルーカスと私は、驚きすぎて声を上げることもできず、その場で固まった。
「うん。綺麗なブロンドね」
「ああ。やっぱりそっちの方が似合うな」
マリアーナの髪は、ローラの一振りで美しいブロンドに変わっていた。
「……ドリーは、知っていたの?」
ボソリと呟いた私に、〝もちろん〟と返すドリーを、思わず恨めしそうに見てしまう。
ああ。真実を見る力を持つドリーだもの。初対面の時に、既にマリアーナの本来の髪の色にも気付いていたのだろう。それを黙っていたのは……
「魔女は悪戯好きだからな」
確かに、これまで彼女の〝色〟とは言っていて、それが暗黙の了解のように瞳のことだけを指していたわよ?けど、髪もというのなら、その場で教えてくれてもよさそうなものなのに。
「そういうことか」
私の次に我に返ったルーカスが呟く。
「ライラの占いは、さすがだな」
うんうんと、一人納得しているルーカスに、私も自分のことながら、〝そうね〟と同意した。
「ブロンドの、波打つ髪……」
マリアーナの髪を一筋すくったアルフレッドは、〝ああ〟と切なげなうめき声を漏らした。
「間違いなく、私の未来の伴侶はマリアーナだったのだな」
軽い口調でそう言ったドリーは、マリアーナに向けて手を振った。途端に、彼女の瞳がグリーンからブラウンにもどる。
「ローラ」
ドリーはなぜか、ローラを促した。
「んーユリウスも、悩みつつ受け入れてるっぽいし、大丈夫かな。じゃあ、はい!!」
ドリーと同じように手を振るローラ。とたんに、ブラウンに変わったばかりのマリアーナの瞳が、綺麗な紫に変わる。ヨエルと同じ色だ。
「それから、はい!!」
まだなにかあるのか、ローラは手をもう一振りした。とたんに、アルフレッドとルーカスと私は、驚きすぎて声を上げることもできず、その場で固まった。
「うん。綺麗なブロンドね」
「ああ。やっぱりそっちの方が似合うな」
マリアーナの髪は、ローラの一振りで美しいブロンドに変わっていた。
「……ドリーは、知っていたの?」
ボソリと呟いた私に、〝もちろん〟と返すドリーを、思わず恨めしそうに見てしまう。
ああ。真実を見る力を持つドリーだもの。初対面の時に、既にマリアーナの本来の髪の色にも気付いていたのだろう。それを黙っていたのは……
「魔女は悪戯好きだからな」
確かに、これまで彼女の〝色〟とは言っていて、それが暗黙の了解のように瞳のことだけを指していたわよ?けど、髪もというのなら、その場で教えてくれてもよさそうなものなのに。
「そういうことか」
私の次に我に返ったルーカスが呟く。
「ライラの占いは、さすがだな」
うんうんと、一人納得しているルーカスに、私も自分のことながら、〝そうね〟と同意した。
「ブロンドの、波打つ髪……」
マリアーナの髪を一筋すくったアルフレッドは、〝ああ〟と切なげなうめき声を漏らした。
「間違いなく、私の未来の伴侶はマリアーナだったのだな」