鬼の棲む街
三ノ組



龍神会 三ノ組 愛龍会組長 大澤紅太
そんな重い肩書きを持つ彼


普段なにをしているのか聞くと
[盾]として西と南の街を護る三ノ組全体の総監督みたいなものだという


「だから月に一度は此処で会合がある」


傘下のトップ達が集結して現況報告の後で慰労を兼ねた食事会があるという


「今月の会合は明日」


大体下旬に開かれるそれに私も同席すると聞かされた


「厳ついさん達なんでしょう?」


「・・・いや」


「今、ちょっと迷ったよね」


「いや?」


「厳ついトップ達の会合って全然楽しく無さそうなんだけど」


「今回だけだから、我慢して欲しい」


少し眉を下げてお願いしてくるから
なんだか諦める気になる


「今回だけね?」


「あぁ、今回だけ」


「じゃあ我慢する」


不服さを誤魔化さず唇を尖らせる


「俺の隣に座っているだけで良いから」


そんな私を宥めるように頭を撫でてくるから
「うん」と紅太の肩にもたれた


繋いでいる紅太の左手のリングに触れる

しっかりと収まるそれに何度も触れるだけで何故だか気持ちが落ち着く


「それ、好きなのな」


もちろん紅太に指摘されたって止めるなんてないわよ?


「 K to K」


「あぁ」


小雪も紅太もKだけど
それでも嬉しい内側の刻印を思い出した





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