家出少女は不器用王子と恋をする。
偲と颯
シャっとカーテンを開ける音が聞こえ、部屋に優しい日光が降り注いだかと思うと、私のすぐそばで颯の声が聞こえた。
「偲、おはよ」
「お・・・はよ・・・・・」
重たい瞼をこじ開けると颯は私の目の前で微笑んでいた。
「は、はは、は、颯!ちっ、近い!」
「いくらなんでも驚きすぎでしょ。昨日のが近かったじゃん」
思わず後ずさると颯は子供のようにハハッと笑ってきた。
「顔真っ赤。早く慣れるといいね?」
乱れた髪に直すように颯が私の髪を手ぐしでといでくる。
これも過剰反応しそうになったが、何とか冷静さを保ち颯にこう尋ねた。
「そういえば今日することあるって言ってなかった?」
「うん。俺の親がどうしても偲に会いたいってさ」
「!? そ、それって・・・」
「あぁ大丈夫。昨日のようなところには行かないよ?ただここに来てちょっと話すだけ」
そうじゃなくて!!!
颯は私の不安を取り除くためにそう言ったんだろうけど、私の不安はそこではない。
颯から両親のことを聞く限り、今のところ私はろくな印象を残していたいのだ。
「偲、おはよ」
「お・・・はよ・・・・・」
重たい瞼をこじ開けると颯は私の目の前で微笑んでいた。
「は、はは、は、颯!ちっ、近い!」
「いくらなんでも驚きすぎでしょ。昨日のが近かったじゃん」
思わず後ずさると颯は子供のようにハハッと笑ってきた。
「顔真っ赤。早く慣れるといいね?」
乱れた髪に直すように颯が私の髪を手ぐしでといでくる。
これも過剰反応しそうになったが、何とか冷静さを保ち颯にこう尋ねた。
「そういえば今日することあるって言ってなかった?」
「うん。俺の親がどうしても偲に会いたいってさ」
「!? そ、それって・・・」
「あぁ大丈夫。昨日のようなところには行かないよ?ただここに来てちょっと話すだけ」
そうじゃなくて!!!
颯は私の不安を取り除くためにそう言ったんだろうけど、私の不安はそこではない。
颯から両親のことを聞く限り、今のところ私はろくな印象を残していたいのだ。