コインの約束
◎ 和真の努力
翌日、和真の病室を訪ねると和真は起き上がることができずベッドに横たわっていて、腕を目の上に乗せて表情を隠していた。
もしかして、泣いているの?
私は病室に入る前に笑顔を作って、明るく挨拶しながら病室へ入った。
「和真、おはよう」
「あぁ、芽衣・・・」
和真に笑顔が無い。
「和真、痛いの?」
「んー。そうだね。体が動かないんだよ」
「少し、お話できるかな?辛かったらやめとくけど」
「ん。芽衣、クリスマスの約束、ごめんな。守れなかった」
「そんなの、大丈夫だよ。心配しないで」