コインの約束
私は由真に
「ねぇあの二人、どうしたの?特に湊がさ、変じゃない?」
「芽衣、あのさ。一度、湊と二人で話して欲しい。何を言われても逃げないで」
「なんで湊と二人で?」
由真は少し悲しい顔になって、
「お願いね」
なんて言うから、それ以上は何も聞かずに
「分かった」
そう答えた。
その日のお昼休み、夏樹と由真が私たちを二人にしようとしているのが分かったから、私から湊を誘った。
「湊、今日は久しぶりに中庭で食べない?」
「えー、外は暑いからヤダ」
湊にあっさり拒否られた。
「なによ、私が珍しく作ってきたお弁当を半分こしてあげようと思ったのに!じゃ、いいもん。夏樹と半分こするもん!」
「ちょっと、待てよ。食べるから。半分こして。ほら早く中庭行くぞ、のろま芽衣」
「湊!待ちなさいよ!なに急に態度が変わってんのよ!」
なんだかいつもの湊に戻ってるから少し安心した。