丸重城の人々~後編~
響子「あ?」
将大「柚希ちゃんが見てる。落ち着け」
響子「あ…」
将大がそっと耳打ちし、漸く収まった。

柚希はその頃には、立てるようになっていて大翔にしがみついていた。
響子「柚希!ごめんね…」
柚希「ううん…良かった、いつもの響ちゃんだ」

将大「じゃあ…プールの中で遊ぶか!」
全員「「「はぁーい!!」」」

男達が先に入り、柚希以外がゆっくり入った。
響子「なんとか、いけそう」
篤子「ちょっと苦しいけど……」
文乃「いける」
英里「そうね!」
恵麻「柚姫も!」
柚希「うん!」
プールサイドに一度座る。

大翔「柚、おいで?」
大翔が両手を広げて待っている。
柚希「うん…」
大翔に手を伸ばして、ゆっくり入った。
大翔「大丈夫か?」
柚希「これ、底あるよね?」
大翔「あるに決まってんじゃん!
みんな、ちゃんと立ってるだろ?」

中也「柚希、怖い?」
柚希「ううん、みんながいるし…」
玄「まぁ、将大のプールよりはいいんじゃね?」
柚希「うん、あ!みんなで手を繋ごうよ!輪になって!そうしたら、怖くないよね?」

しかし━━━━━
中也「俺だ!」
玄「どう見ても、俺だよ!一番紳士だし!」
泰成「は?玄は腹ん中、真っ黒だろ!?」
流風「俺が適任だろ!?」

柚希と手を繋ぐ人を大翔と誰かにするかで揉めていた。
将大「お前等!だったら、俺が繋ぐ!」
中也「はぁぁ?」
玄「将大は、バカなの?」
泰成「おっさん!出てくんなよ!」
流風「そうだよ!いいとこもってくなよ!」

将大「お前等が揉めるからだろ!?
じゃあ…手っ取り早く、ジャンケンしろ!」
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