丸重城の人々~後編~

【プール・男達】

一方の中也、玄、泰成、流風の四人は━━━━━━

フードコートで、ビールを飲みながら煙草を吸っていた。
泰成「大翔の独占欲、どうにかなんないの?」
中也「昔からそうじゃん!」
玄「まぁね!だから、総長になり得たってのもあるよ」
流風「でもさ!
姫相手なら、俺でも独占するよ。そして絶対、放さない!」

全員「だよなぁ~」

女1「あの!皆さん、よかったら一緒に飲みませんか?」
中也「は?」
泰成「よくない」
流風「飲まないよ」
玄「フフ…なんか、奢ってくれるの?」
元・ホスト玄の営業スマイル。

女2「もちろん!なんか、買ってきますよ?」
玄「んー?つまみが欲しいなぁ」
女3「わかりました!」
声をかけてきた女三人は、急いで売店に駆けていった。
中也「てか、一緒飲むの?」
泰成「あり得ねぇんだけど?」
流風「面倒くせー」
玄「…んなわけないじゃん!」
中也・泰成・流風「は?」

女1「買ってきました!」
玄「ありがと」
女2「横いいですかぁ~?」
玄「は?なんで?」
女2「え…だって……」
玄「え?まさか、君達…この俺と食事できると思ったの?」
女3「え?」
玄「俺は一言も、一緒に飲むのOKしてないよ。
奢ってくれるの?って聞いただけだよ。
それを勝手に勘違いして、買ってきたのは君達でしょ?」
女1「だって、あんな言い方されたら一緒にって思うじゃない?」
玄「へぇー、そうなんだ。日本語勉強し直したら?」

女2「だったら、お金払ってよ!」
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