丸重城の人々~後編~
ト組「組長、例の写真です」
徳力「へぇー、確かに美人だな!
あの“冷酷な翔”にこの嫁かぁ。
スッゴい夫婦だな!」

ト組「はい////ヤバいっすよね////!!この可愛さ!」
徳力「これは、俺の女にしたいなぁ」
ト組「でもこの女、対人恐怖症で外に出る時は必ず誰かついてます。
しかも毒蜘蛛連中みたいなヤバいガキばっかだから、安易には手を出せませんよ!」

徳力「そんなの……向こうから俺のとこに来てもらえばいいだけだ!」

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ある日の朝、柚希は郵便受けを覗きに庭に出た。
丸重城の人は今や九人で暮らしている。
郵便物も多い。
ドサッと掴み一つ一つ確認しながら、屋敷に戻った。

柚希「これは…響ちゃんで、こっちが英里さん、これは……玄さんだな!
……………私?」
柚希は自分宛の手紙を開けた。
柚希「え━━━━━!!!!」
柚希は手紙の内容に驚愕する。

【大瀬 柚希様。
初めまして。
竜王組の守口と言います。
突然の手紙、申し訳ありません。
大瀬さんは病気を患っていて、初対面では話すのが難しいとお聞きしたので、このようにまず手紙でお伝えさせていただきました。
若頭の事で、貴女に相談があります。
できれば会って、話がしたいと考えています。
内密な話なので、誰にも知らせないようにお願いします。
今日の午前0時にお迎えにあがります。
くれぐれもよろしくお願いします。
竜王組、守口】

柚希「将大さんに、何か……
どうしよう…響ちゃんには、話した方が……
いや、ダメだ!!心配かけちゃう!
それに“内密”って書いてあるし…!」
柚希は昔から、こんな風に仲間や大翔が傷つけられたり、助けを求められると不思議と怖いと感じないのだ。

柚希はこの日の午前0時、こっそり丸重城を出ていったのだった。
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