丸重城の人々~後編~
柚希「どうして……?」
大翔「え……柚!?」

柚希は泣いていた。
柚希「どうしてそんな…優しいの?
もっと責めていいのに……
私…ワガママ言って嘘ついたんだよ?」

大翔「だから、嘘じゃないだろ?
ほんとに出かけるんだから!
それに柚に優しくするのは、当たり前なの!
俺は柚が、何よりも大事なんだから!」

柚希の涙を親指で拭った大翔。
そして目元にキスをした。
大翔「どこ行くか、決めよ?」
柚希「うん」

行くとこを決めた二人。
大翔「柚…いい加減、着替えたい」
柚希「じゃあ…ついてく」
大翔「え?すぐそこだぞ?」
柚希「うん、ダメ?」
大翔「……////ううん////」

大翔について、ウォークインクローゼットへ行く。
大翔が上半身裸になった。
柚希「…/////」
思わず、顔が赤くなる柚希。
大翔「毎日、あちぃな…」
そしてTシャツを着た大翔が、今度はズボンを脱ぎ短パンをはいた。

柚希「大翔って、綺麗だよね…」
大翔「は?何が?」
柚希「肌」
大翔「そう?」

柚希「うん、それに背高くて、細いのに程よく筋肉があって力が強い。
肩幅も広くて胸板も厚くて、手も大きい。
私…大翔に抱かれてると、とっても幸せで…そのまま死んでもいいって思えるの」

大翔「……それって、抱いてって言ってんの?」
柚希「へ?私…今、何て言った?」
大翔「俺のこと煽った」
柚希「そんなこと言ってないよ…ただ、大翔の裸見てドキッてしただけ!」
そう言って、大翔にジャケットを拾いハンガーにかけようとする。

そんな柚希を大翔は、後ろから抱き締めて言った。
大翔「俺はいつもドキドキしてるよ…?
柚だって、小さくて可愛くて、肌もスベスベしてるし、柔らかい。柚を抱いてるといつも止まらない。気持ちよくて、愛しくて…
そして怖い……」
柚希「え?怖い?」
大翔「だから前も言ったろ?柚のこと好きすぎて狂ってるから。
止まらなくなって、理性がぶっ壊れて歯止めが効かなくなりそうになる。
いつも柚のこと壊さないか不安なんだよ。
だから…怖い…」
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