丸重城の人々~後編~
サク「え?」
響子「あんたの気持ち、知ってたわよ!
でも私は将大を愛してるから、サクのことを安易に受け入れられない。
それでもサクが、必死に支えてくれてるの本当に心強かったし、本当に頼りにしてた。
私が嫌なのは、柚希を巻き込んだことよ!
だから、私に殴らせて!サク。
それで、この件は終わり!
それでいい?柚希」

柚希「え?で、でも……」

サク「ママ…
…………柚希ちゃん、けじめつけさせて!」
サクが大きく頷いて、柚希を見た。

柚希「わかりました」
そして柚希は、ギュッと目を瞑った。

響子「サク、立って!」
サク「はい」

バコッと音がして、サクが床に倒れた。

サク「……ってぇ…ママ、強っ!!
さすがだな(笑)」
響子「え?これでも、萎えた方よ!
現役の時は、もっといけたわ!」

サク「フフ…やっぱ、最高の女!
柚希ちゃん、ありがとう!」

柚希「サクさん…」


そしてサクが柚希を送る為、一緒に店を出た。

サク「ねぇ、このまま柚希ちゃんの旦那のカフェに行こ?」
柚希「え?大翔のですか?」
サク「うん。
君の旦那にも、殴ってもらう」

柚希「え!!?だ、ダメですよ!
大翔は響ちゃんの比べ物にならないくらい強いんですよ?大翔は、そうゆう意味では“特殊”だから」

サク「け、じ、め!つけたいんだ!
君の旦那の言うこと、一理あるから!」
柚希「でも…」

サク「そしたら、また頑張れそうなんだ!
ママの元で、また……だから……ね?」
サクの澄んだ瞳。
今から殴られるというのに、とても清々しい表情をしていた。

大翔「へぇー、けじめねぇ…!」
サク「君には、俺を殴る権利がある。
君の大切な奥さんを傷つけたんだから!」

大翔「わかった!一発だけ!その代わり、本気でいく!」
サク「柚希ちゃん、また目…瞑って!」

柚希はまたギュッと目を瞑った。

そして、バコッと音がしてサクが殴られた。
恐る恐る目を開けると、響子の時とは比べ物にならないくらい傷ついていた。

柚希「サクさん!?」
サク「大…丈夫……!奥歯、抜けたかも(笑)」
ペッ!とサクが唾を吐くと、歯と血が出た。

大翔「柚、店で待ってろよ!俺と帰ろ?お前は、店戻れよ!」
サク「あぁ!ありがとう!」
そう言って、サクは微笑み去っていった。

大翔「これが、けじめだよ!柚」
柚希「うん、わかってる」
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