運命なんて信じない
「で、どうする?」
どうすると言われても・・・

「止める気がないなら、俺は行くぞ」
陸仁が席を立った。

俺は黙って見送った。

これが琴子の選択なのか?
俺は正直に気持ちを伝えた。
好きだと言ったはずだ。
ずっと一緒にいたいとも言った。
その答えがこれなのか?
俺はその場から動けなかった。


どの位の時間がたっただろう。
時刻は午後9時過ぎ。
廊下の先に、陸仁の後ろを歩く琴子の姿が目に入った。

見た瞬間、我慢できなかった。
反射的に俺は走り出し、エレベーターで腕を捕まえた。

言葉の出ない琴子を、俺は強引に引っ張る。

「そんなに怒るな」
呆れたような陸仁の声と共に、部屋の鍵を渡された。
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