不良男子と私の話。
『泣きすぎて気持ち悪い』
「吐くの?」
湊の問いに無視してトイレに駆け込んだ。
でも、出るのは嗚咽だけ。
湊は何も言わずに背中をさすってくれた。
背中をさすってくれるだけで、だいぶ違う。
落ち着いた後に、部屋に戻って…湊の気持ちを聞いた。
「正直、わからない。けど…親になって、俺達を捨てた親の気持ちを知りたい気もする。けど、紗良の事が好きだから…って産もうっていう話でもない気がする。」
「紗良の人生を狂わせてごめん」
湊の言葉に重さを感じた…
それに、また涙が出てきた。
「少し考えさせて。紗良は?」