不良男子と私の話。
その日の夜、
湊は帰ってしまい、いなかったけど…ママとパパが帰り道にケーキを買ってくれてお祝いをしてくれた。
久しぶりに姉の紗希と会った気がする。
同じ家に住んでるけど…
なかなか、会わないのが現実。
紗希は部活で帰ってくるのが遅いし、彼氏の家に泊まりに行ってる事が多い。
「何か、朝陽デカくなった?」
『生まれて1ヶ月経ったよ』
「早い」
紗希が朝陽を抱っこしているのなんて、退院した日以来かもしれない。
このぎこちない感じが、懐かしく思えた。
私も、こんな感じだったな。
今では片手で抱っこできるようになったけど、生まれたばかりの時は両手で抱っこするのも必死だったのに…人間の成長はえげつない。
「紗良がママなんて、考えられないな。高校頑張ってね」
『ありがとう』
いつも冷たかった姉がこんな事言ってくれるなんて嬉しい。
「朝陽が生まれてしっかりしたよね」
と、
言ってくれたママ。
合格おめでとう会のはずが、最後の方は私の褒め会になっていた。
しみじみ。
これ以上言われたら泣きそうだからやめてほしい。