【コミカライズ】黒騎士様から全力で溺愛されていますが、すごもり聖女は今日も引きこもりたい!
 ルルが反意を示すと、議員たちはざわつきはじめた。
 壇上のマキャベルは、木槌をカンカンと打ち鳴らす。

「静粛に! ルルーティカ王女殿下、お話しください」

「わたしが申し上げたいのは、聖王イシュタッド陛下が行方をくらまされてから日が浅く、まだ継承者を決める段階にないことと――」

 聖騎士を動員して捜索したとノアは言っていた。けれど、失踪してからまだ一カ月も経っていない。次を決めてしまうのは早計と言える。

 もしも新しい聖王が戴冠してから兄が見つかった場合、先王と新王のあいだで争いが起きてしまうだろう。

「――そして、聖教国の王族たるわたしを差し置いて、ガレアクトラ帝国の王族を擁立することへの抗議です」

 順当にいけば、ルルーティカが次の聖王になるはずなのだ。聖教国フィロソフィーでは、男性も女性も等しく王位継承の資格があるのだから。

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