オフィスの華(令和版)~若社長と秘書のHONEYなヒミツの関係~
社長の風格
第一会議室には既に役員たちが勢ぞろいしていた。
経理課の若林部長の姿も見える。

祐早斗さんが入室して来た途端、一斉に皆が立ち上がり、社長の彼に頭を下げる。

楕円形のドーナツ型のテーブル。

祐早斗さんの座るチェアは他の役員たちが座るチェアとは違って、リクライニング付きの豪華仕様。

「本日付けで社長に就任いたしました。相馬祐早斗です。前会長が亡き後、会長である父が兼任していた取締役ですが…この度、息子であるこの私が引き継ぐ事になりました。
大手製薬会社として、人々の健康と明るい未来に貢献する為、日々努力を積み重ね、『ソーマ』の歩んで来た道しるべを共に皆様方これから、歩んで行きたいと思います。
ご鞭撻のほど、よろしくお願いします…会議の冒頭にご貴重な時間を頂き、ありがとう御座います。引き続き、秘書の栗原から新しい秘書のご紹介させていただきます」


「皆々様方、おはようございます。
新社長の専属秘書となりました。栗原洋貴です。新社長を支え、共に『ソーマ』の発展の為、影ながら新社長を支えたいと思います。そして、もう一人、経理課から異動した新しい専属秘書を紹介します」

「…染中美苑です…よろしくお願いいたします…」

二人は、大勢の人達の前で威風堂々と言葉を紡いだ。私は栗原さんの指示通りの言葉しか言えなかった。



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