オフィスの華(令和版)~若社長と秘書のHONEYなヒミツの関係~
「社内でイチャイチャさせるのは困ります。社長」

「そう言われても…つい」

「何がついですか…全く」

栗原さんは祐早斗さんを責める。

「コーヒー、どうぞ」

私は栗原さんの脇を通り、デスクにそっとコーヒーを置く。

「会議の時間が差し迫っています。早く飲んで下さいね…社長」

自分の腕時計を指差し、祐早斗さんを急かす。

「そう言われても…俺猫舌だし」

「いいから…飲んで」

さすがの祐早斗さんも栗原さんには逆らえず、コーヒーを慌てて飲み干す。

彼がソーサーにカップを置いたタイミングで言い放った。

「飲みましたね…では会議に行きますよ、社長」

「会議まで後三分あるぞ…」

「三分しかありません…行きますよ!!」

「分かった…そう睨むな…栗原」


突然、秘書室で一人にされても、私は何をすればいいのか分からず、栗原さんの指示を仰いだ。

「私は会議中どうすればいいんですか?」

「貴方も来るんです。本日付で社長秘書となる貴方も幹部の方々に挨拶しないと」

「あ…はい…何て言えばいいですか?」

「俺が適当に紹介しますから…名前とよろしくお願いいたしますでいいですよ…」

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