オフィスの華(令和版)~若社長と秘書のHONEYなヒミツの関係~
雨の日
月は十二月…師走に入った。

あれから、母と話をしたが、別れなさいと言うばかりで全く交際を許してくれなかった。
許婚が誰なのかは全く教えてくれなかった。

栗原さんの指導の下、秘書の仕事にも慣れていった。

「コンタクトはもうしないんですか?」

「眼鏡の方がいいからな…」

「そうですか…」

事務作業の合間にチョコチョコとお喋りをした。

「そうだ・・・これ速達だから…近くの郵便局まで持って行ってくれる?染中さん」

「いいですけど…」

「じゃ頼む…傘持って行った方がいいよ…雨が降りそうだから…」

「はい」

私は速達を手に持った。

その間に栗原さんのデスクに内線電話が響く。

「こちら、社長秘書室、栗原です」

私は椅子から腰を上げて、備え付けのクローゼットからコートを取り出して、スーツの上に羽織った。

そして、そのまま秘書室を出た。

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