オフィスの華(令和版）～若社長と秘書のHONEYなヒミツの関係～

「お前…酒飲み過ぎたんだな…」

「多分…」

船酔いを酷くさせてるのはお酒のせいもあるけど、全ての元凶は常務の言葉で。

頭からいつまでも離れない常務の忠告。

常務の優しさも含まれているんだけど、祐早斗さんを本気でスキになった私には残酷な言葉だった。


私はその場に蹲る。

「おいっ！？大丈夫か？吐きそうなのか？美苑」

吐き気はしていないので、首を横に振る。

今の私は彼の顔をまともに見れなかった。

祐早斗さんは蹲る私の背中を必死に摩ってくれた。

背中に感じる彼の優しく温かい手。

私の心の中のわだかまりを少しずつ溶かしていきそうな温もりがあった。

高鳴る鼓動は私の素直なキモチ。

私は彼がスキ。

そのキモチは加速していくだけ。

止まれと言うのが無理な話。