元勇者、ワケあり魔王に懐かれまして。
ややくすんだ色の茶髪、そして黒に近い紺の瞳。眉間にはいつも不機嫌そうな皺を寄せており、常に唇を引き結んでいる。頬から顎にかけてすっと細いラインのティアリーゼとは対照的に、丸みを帯びた輪郭。プライドの高さからか、他人を見下すように顎を持ち上げて話す癖がある。整ってはいないものの気品を感じさせる顔立ちは、王族だと言われれば納得のいく作りをしていた。
今、エドワードはティアリーゼを睨みつけていた。
無理もないだろう。年下の妹に訓練とはいえ、剣で負けてしまったのだから。
「相変わらずですね、ティアリーゼ様」
端で見守っていたレレンが、いまいち反応に困る言葉を告げる。
今、エドワードはティアリーゼを睨みつけていた。
無理もないだろう。年下の妹に訓練とはいえ、剣で負けてしまったのだから。
「相変わらずですね、ティアリーゼ様」
端で見守っていたレレンが、いまいち反応に困る言葉を告げる。