元勇者、ワケあり魔王に懐かれまして。
 ティアリーゼを見て喜んでいるときのそれではない。シュクルなりに考え、言葉を選んでいるときの仕草だった。

 ずいぶん悩んでいる様子を見て、いくぶん空気を和らげたグウェンが話しかける。

「白蜥、お前は人間をどうしようとしている? 金鷹の話では……つがいにするつもりだとのことだが」

「いかにも」

「正気なのか?」

「狂っているのはあの人間の方だ」

 ふ、と笑った声が誰から漏れたのか、四人の魔王たちはすぐに気付かなかった。

 ややあって、シュクルのこぼしたものだと気付く。

「私に触れた。……嬉しかった」

「シュクル、君は……。……そうか、そうだね」

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