元勇者、ワケあり魔王に懐かれまして。
 ティアリーゼにとってシュクルは純粋な人だ。いつも楽しく尻尾を振っていてほしいし、できれば笑顔を見ていたい。そのためには負の感情からなるべく遠ざける必要があった。

 どうすればいいのか――。

 そう考えて、ティアリーゼは息を吐く。

「……結局、こういうことばっかり考えている気がするわ」

「我々と人間のことを言っているのか」

「ええ。なにも考えずに、その……あなたといられればそれでいいんだって思っていたんだけど」

「それのなにがいけない?」

「いけなくないわ。ただ、生きづらい性格なのねって自分に思っているだけ」

「わからない」

「そうね、私にもよくわからないかも」

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