元勇者、ワケあり魔王に懐かれまして。
(好きだと思える人と一緒にいるだけで幸せになれるならよかった。……でも私は自分で自分の役目を探してしまう。今まで、役目に縛り付けられて生きてきたから)

 もう、ティアリーゼは勇者という役目の呪縛から解き放たれている。ほかでもないシュクルがそうしてくれた。

 なんとも面倒な性格だと思いながら、ティアリーゼはそんな自分を捨てきれない。

「この間の亜人狩り……翼狩りを見たから余計に考えたくなるのかしら」

「困ったときは私に言えばいい。力になる」

「ありがとう。前々から思っていたけど、あなたって優しいわよね」

「お前を好きだと思っているから」

「好きじゃなかったら力にならない?」

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