元勇者、ワケあり魔王に懐かれまして。
「残念ね」

 ティアリーゼはキッカほどお喋りではないし、会話を積極的に楽しむような性格でもない。同じ年頃の娘たちは違うのだろう。流行しているドレスや装飾品、気になる異性の話で盛り上がり、なにを話そうか悩むことなどきっとない。

 そういったものとは縁遠かったティアリーゼだが、たとえ普通の姫らしく育てられていたとしても、シュクルとそんな話で盛り上がるようには思えなかった。

 それでも、なるべくシュクルと会話の時間を取ろうと気を付けている。

 勤勉なのか、単に好奇心旺盛なのか――ティアリーゼは後者の方だろうと思っている――シュクルは人の会話から学習することを好んだ。

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