元勇者、ワケあり魔王に懐かれまして。
「じゃあ、私たち同じね」

「いかにも」

 くすりと笑ったティアリーゼにシュクルはつられなかった。代わりにぱたりと尻尾が床を叩く。

(同じことを考え合えるのよね。人間と亜人は)

 再びそこに考えを戻し、さくさく菓子を食べるシュクルを見つめる。

 人々の恐れる魔王がこんなにもおとなしい人だということを、人間たちに広めて回りたかった。

 人間と亜人の共存――。

 あれからそれについて考えていたティアリーゼは、少しずつ行動に出ることにしていた。

 人間が亜人狩りと呼んでいた『翼狩り』のこと。どういった認識の違いがあるのかをトトに聞いて頭に入れる。

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