元勇者、ワケあり魔王に懐かれまして。
「忙しいのに、わざわざ教えてくれてありがとう」

「……ふん」

 馬の亜人だというトトは、出会ったばかりの頃と変わらずティアリーゼにいい顔をしない。だが、なにかと便宜をはかってくれる辺り、嫌われているわけではないようだ。

 もっとも、シュクルが気に入っているからそうせざるをえない、というのもなくはないだろうが。

 トトから話を聞き、ティアリーゼはすぐシュクルのもとへ向かった。

「――という話を聞いたの。話を聞きに行ってもいいかしら?」

「なんのために?」

 シュクルはいつもティアリーゼに理由を求める。

 今回もまた同じだった。

< 255 / 484 >

この作品をシェア

pagetop