元勇者、ワケあり魔王に懐かれまして。
「私はそういう行為を無駄だと言う。翼狩りの男にかける時間があるなら、私を撫でるべきだ」

「……ええと」

「キスでもいい。好きだ」

(嫉妬ってほどじゃないんだろうけど、おもしろくないと思っているのは間違いないわね)

「それはそれ、これはこれ。でしょう?」

「わからない」

「もう」

 シュクルはティアリーゼを見つめたまま首を傾げる。

 そして、自分の唇を指で示した。

「してくれないのなら、許可は出さない」

「……そういうのはずるいわよ」

「いつも逃げるお前が悪い」

 むっとするティアリーゼだったが、シュクルに抱き寄せられて軽く身体をこわばらせる。

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