元勇者、ワケあり魔王に懐かれまして。
「舐めたい」

「だめ」

「……行くなと言いたい」

「約束を破るなら怒るわよ」

「それは嫌だな」

 しゅう、とシュクルが喉を鳴らす。

 その喉を撫でると、甘えるように顔をすり寄せてきた。

 ついでに頬と髪とを撫でてから、一応許可を得たということで出掛ける準備に向かう。

 トトはティアリーゼをその村まで連れて行くよう、部下に指示を出してくれた。



***



 タルツへ戻ったときと同じように鳥の亜人の力を借りたおかげで、昼を過ぎる頃にはもう村に着いている。

「……時間が来たら声をおかけしますので」

「わかったわ。ありがとう」

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