元勇者、ワケあり魔王に懐かれまして。
「うん。もうほぼほぼ、周りの人の扱いもそういう感じだし……」

 キッカはティアリーゼをシュクルの嫁と呼ぶ。

 トトはまだそこまで柔軟な対応をしていないが、以前より扱いが柔らかくなったような気がする。メルチゥに至っては早く王妃と呼びたいと言ってくる始末だった。

 ほかにも出会う亜人たちは皆、ティアリーゼをシュクルのものとして接する。ティアリーゼ本人だけが、そんな状況を飲み込み切れていなかった。

「改めてお父様に報告しなければならないわね。さすがに勝手に結婚まではできないわ」

「結婚?」

「人間は添い遂げることをそう言うの。つがいになる……の方がわかりやすいかしら」

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