元勇者、ワケあり魔王に懐かれまして。
「私も言葉ぐらいは知っている。単純に自分のことだと思えなかっただけだ」

 こつ、とシュクルがティアリーゼの額に自分の額を押し当てる。

 久しくしていなかった、シュクルなりの求愛行動だった。

「過去、人間と結ばれた魔王はいない。私が初めてだな」

「そうなのね。じゃあ、あなたの仲間たちにも、人間たちにも驚かれるかも――」

 そう答えた瞬間、ティアリーゼに電流が走った。

「これを利用できないかしら」

「なにが?」

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