元勇者、ワケあり魔王に懐かれまして。
「お前は自分に役目を押し付けるのが好きだな」

 ふ、とシュクルが鼻を鳴らす。

 表情が変わらないせいで、笑われているのか不満に思っているのか読み取れない。

「よくないことかしら……?」

「わからない。ただ、自分を利用することに抵抗がないのかと思っただけだ」

「……ごめんなさい。あなたも利用してしまうわね」

「私は構わない。お前がそう望むなら、いくらでも」

「……ありがとう」

 ティアリーゼが思うほど、シュクルは種の共存に意欲的ではない。ほかの亜人たちがそうであるように、自分に害さえなければどうでもいいと思っている節がある。

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