元勇者、ワケあり魔王に懐かれまして。
 それなのにティアリーゼが望むならと肯定してくれるのだから、心が広いという言葉で片付けられるものではなかった。

 魔王がそう発言すればどうなるか、さすがにわからないシュクルではないというのに。

「ただ、叱られそうだ」

「キッカさん?」

「違う。グウェン」

「……初めて名前を聞くお友達だわ」

「東の大陸を治めている。人間が嫌いだと言っていた」

(……治めている? じゃあ……)

「藍狼の魔王……かしら?」

「いかにも」

(お友達が魔王ばっかりなのは、やっぱりシュクルも魔王だから?)

 自分には姫の友人も勇者の友人もいなかった、となんとも言えない気持ちになる。

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