元勇者、ワケあり魔王に懐かれまして。

 政略結婚を控える――という姫らしい日々を送るようになってから数日後。

 ティアリーゼは、シュクルに里帰りを告げた。

「一応、花嫁として向こうで準備をするべきだと思うの。だから結婚式の日までお別れになるわ」

「わかった、としか言えない。私が嫌だと言えば恋人をやめる話がなくなる」

「そうね……」

「仕方がない。これからのためだ。私の方ですることは?」

「式の場所を考える、とかかしら。こちらへ来てって言っても来てくれないだろうし、かといって向こうに行くのも考えものでしょう? ちょうどいい中間地点があればいいけれど」

「考えておく。クゥクゥなら詳しそうだ。飛べるから」

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