元勇者、ワケあり魔王に懐かれまして。
「どうか、その場にお父様も足を運んでいただくことはできないでしょうか。ふたつの種族の未来を決める場に、参列いただきたいのです」

「……ティアリーゼ」

 王は小さな子供へ向けるように優しく名を呼ぶ。

 呼ばれたティアリーゼはおとなしく頷いた。

「参列するのはエドワードだ。次の王となる者がいることで、より未来を重視していることが伝わるだろう?」

「お父様……! ありがとうございます……!」

 父が式に現れないというのは残念だった。だが、決して軽んじているわけではないことを、エドワードの参列を認めることで示してくれる。

 ティアリーゼの胸が熱い思いでいっぱいになった。

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